バターの奥深さを徹底解説!種類別の選び方・使い方から保存方法まで丸わかりガイド
バターの魅力は「風味の豊かさ」と「汎用性」にあり
バターは、牛乳から生まれるクリーミーな魅力が凝縮された食材です。朝食のトーストに塗るだけでなく、ステーキや魚介類のソテー、お菓子の生地作り、ソースに加えてコクを深めるなど、多彩な用途があります。
最近は「ギー」や「グラスフェッドバター」など健康志向の人にも注目されるバターが増え、味だけでなく栄養価の側面からもバターの人気が高まっています。
1. バターの種類は大きく分けて4タイプ
バターを選ぶ際、まずはどの「タイプ」に当てはまるかを知ると使い分けがスムーズになります。本記事では代表的な4つの分類、すなわち「発酵バター」「無発酵バター」「有塩バター」「無塩バター」について詳しく解説します。
1-1. 発酵バター
発酵バターの特徴
- 乳酸菌を加えてクリームを発酵させてからバターを作る
- ヨーグルトのような爽やかな酸味と、芳醇な香りが楽しめる
- 風味が非常に強く、コクがある
おすすめの使い方
- パンに塗る:朝食のトーストやフランスパンに塗ると、その香りの違いに驚かされるはず
- お菓子作り:特にクッキーやフィナンシェなど、バターの風味をダイレクトに活かす焼き菓子に最適
- バターライスやリゾットなど、シンプルな料理の仕上げに少量加えて風味を際立たせる
ヨーロッパでは発酵バターが主流で、有名な「エシレバター」や「ボルディエバター」が代表的。酸味と香りのバランスが絶妙なので、料理好きの方は一度試してみる価値があります。
1-2. 無発酵バター
無発酵バターの特徴
- 一般的に日本でよく販売されているタイプ
- クリームを発酵させずに作るのでクセが少なく、あっさりとした味わい
- どんな料理にも合わせやすく、使い勝手が良い
おすすめの使い方
- 料理全般:魚介類、肉、野菜のソテー、パスタソース、スープなど幅広いレシピで活躍
- お菓子作り:ケーキやマフィンなどの生地にも取り入れやすい
- ジャムや蜂蜜と一緒にパンに塗るなど、バリエーションが豊富
無発酵バターは主張が強すぎないため、素材の味を壊さずにバターのリッチなコクをプラスしたい時に便利。日本のメーカーからも多くの種類が出ているので、手軽に入手しやすいのも魅力です。
1-3. 有塩バター
有塩バターの特徴
- 製造の過程で塩を加えたバター
- 塩味が甘みを引き立て、風味をより豊かに感じられる
- 保存性が高い
おすすめの使い方
- パンにそのまま塗る:塩味が絶妙なアクセントになり、シンプルな食パンでも十分美味しくなる
- 料理の仕上げ:ステーキや野菜を炒めた後にさっと絡めると、食材の旨味が引き立つ
- ポテトやコーンなど甘みの強い食材にもよく合う
有塩バターは料理にも使いやすいですが、塩分を調整しづらい面があるため、お菓子作りにはあまり使われない傾向があります。塩分量に注意しながら使うと、素材の甘みを引き出してくれる心強い味方です。
1-4. 無塩バター
無塩バターの特徴
- 塩を加えないバターなので、バター本来のまろやかな風味が活きる
- お菓子作りに適しており、塩分を自由にコントロールできる
- シンプルに素材の味を楽しむ料理にも◎
おすすめの使い方
- ケーキやクッキーなどの焼き菓子全般:風味がストレートに出るので味の調整がしやすい
- ソース作り:ホワイトソースやクリームソース、パスタソースに使う
- 減塩を意識している方にもおすすめ
無塩バターはカロリーや脂肪分は他のバターと変わりませんが、塩分を気にする方にとっては料理の幅を広げやすいアイテムです。
2. 国産バターと輸入バターの違いを知る
バターは国内外さまざまなブランドがあります。風味や価格帯が異なるのはもちろん、牛の飼料や搾乳環境によっても味が変わってくるのが興味深いところ。ここでは主な国産および輸入バターの違いを整理してみましょう。
2-1. 国産バター
主な特徴
- 北海道が圧倒的に生乳生産量が多く、高品質なバターが豊富
- よつ葉バター、雪印北海道バターなど、国内産の定番ブランドも多数
- クセが少なく、やわらかくマイルドな味わいが多い
地域独自のバターも注目
北海道以外にも、岩手や長野、九州など、地域の風土を活かした牧場製のバターも増えています。牛の飼育環境や製法にこだわった小規模生産のバターは、ミルク感が強く風味豊か。地元の道の駅やオンラインショップなどで見つけられることもあります。
2-2. 輸入バター
フランス産バター(例:エシレバター、ボルディエバター)
- 発酵バターが主流で、ヨーロッパ特有の濃厚な風味と芳醇な香り
- 値段はやや高めだが、バターそのもののクオリティを楽しみたい方におすすめ
デンマーク産バター(例:ルアーパックバター)
- クリーミーでマイルド、そしてやわらかい口当たりが特徴
- あっさりしつつもコクがあり、料理からお菓子作りまで使いやすい
ニュージーランド産バター(例:アンカーバター)
- 牧草を主体に飼育された牛の乳から作られる「グラスフェッドバター」が多い
- ミルク感が強く、栄養価も高いとされる
- バターコーヒーなど健康志向の方からも人気がある
輸入バターは高めのものもありますが、一度試すとその豊かな風味にハマる人も多いです。特に発酵バターは外国製のほうが種類が豊富なので、バター好きの方は色々試してみる価値があります。
3. バターの選び方:用途と好みでチョイス
バターを選ぶときに迷ったら、「何に使うか」と「どんな風味や香りが好きか」を基準に考えてみましょう。
3-1. 用途から選ぶ
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ソテーや焼き物
- 魚介類やステーキなどを焼く場合は、バターの風味がダイレクトに味の決め手になるため、好みの風味の強いバター(例えば発酵バター)や有塩バターが重宝します。
- 発煙点がやや高い「ギー」を使うと、焦げにくく香ばしさをプラスできるので、調理慣れしている方はギーの活用もおすすめです。
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ソースやスープ
- ホワイトソースやクリームスープ、カレーなどにバターを加えると、コクと深みが増します。ここはあっさり系でも濃厚系でもOKなので、自分の好みを探ってみましょう。
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お菓子作り
- クッキーやケーキに使うなら無塩バターが基本。塩分をコントロールしやすいため、レシピ通りの仕上がりになりやすいです。
- 風味重視なら発酵バターを使うとお店のような本格的な香りを楽しめます。
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パンに塗る
- 有塩バターを塗ると、ほんのりとした塩気がパンの甘みを引き立てます。
- 発酵バターやグラスフェッドバターなら、クリーミーなリッチ感が際立ち、特別感のある朝食に。
3-2. 好みの風味や香りを重視
- 濃厚な風味:発酵バターやグラスフェッドバターを選ぶと、パンチのある味わいが楽しめる
- あっさりした風味:クセが少ない無発酵バターを選ぶと、素材との相性が取りやすい
- 芳醇な香り:発酵バターが特におすすめ
- ミルキーな香り:無発酵バターや国産バターで優しい香りを楽しめる
3-3. パッケージのチェックポイント
- 乳脂肪分:数字が高いほど風味が強く、濃厚な味わいになる傾向
- 原材料:生乳100%や国産生クリームのみ使用と書かれたものはミルク感が強い
- 賞味期限:バターは鮮度が大事。使い切れる範囲の量で、新鮮なものを選ぶ
4. バターをより美味しく保つ保存方法
バターは劣化しやすい食品でもあるため、正しい保存方法を押さえると最後まで美味しく使えます。
4-1. 冷蔵保存
- 保存容器:光や空気にできるだけ触れないよう、密閉容器やホーロー容器を使用
- 温度:10℃以下の冷蔵庫で保管するのが基本
- 使用目安:開封後は2週間~1ヶ月ほどで使い切るようにすると風味が落ちにくい
バターは冷蔵庫内でもほかの食品のにおいを吸いやすいので、におい移りを防ぐためにも密閉性の高い容器がおすすめです。
4-2. 冷凍保存
- ラップ&ジッパーバッグ:使いやすい大きさに切り分け、1回分ずつラップで包む。その上でフリーザーバッグに入れて空気を抜いて密封
- 保存期間:冷凍なら3ヶ月~半年ほど保存可能
- 解凍方法:使う分だけ冷蔵庫や常温でゆっくり解凍すると、分離を防ぎやすい
まとめて買ったお得用バターや、消費が少ない方には冷凍保存が便利です。必要な分だけ取り出せるよう小分けにするのがポイント。
5. バターの美味しさを引き立てるコツ
5-1. 常温に戻すタイミング
- パンに塗るなら:冷えた固いバターは塗りにくく、パンを傷める原因に。室温に10~15分ほど置いて柔らかくすると、薄く均一に塗ることができ、バターの香りも最大限に引き立ちます。
- お菓子作り:クッキーやケーキ作りは「室温に戻したバター」を使うのが鉄則。バターをやわらかくして練ることで、ふんわり仕上がります。
5-2. 適切な量を使う
- バターはリッチな風味を与える半面、入れすぎると油分で重く感じられることも。適量を把握し、レシピに忠実に守るとバランスの良い味わいに仕上がります。
- ダイエット中や塩分制限のある方は、無塩バターを使ったり使用量を減らす工夫を。
6. バターを使いこなす簡単レシピアイデア
バターは、ほんのひとかけら加えるだけで料理を格上げできる魔法の食材。いくつか簡単なレシピや活用例を紹介します。
6-1. バターソテー
- ステーキ・ソテー:牛ステーキを焼き上げる時、仕上げにバターを落として軽く香りをまとわせると、肉の旨味がぐっと引き立ちます。
- 魚のムニエル:小麦粉をまぶした白身魚をバターでこんがり焼き、最後にレモン汁をふりかけるだけで本格的な洋食メニューに。
- キノコバター炒め:キノコをバターで炒め、塩・胡椒で味付けするだけのシンプル料理が絶品に変身。
6-2. バターソース
- パスタソース:仕上げに少量のバターを加えると、全体にコクとまろやかさがプラスされます。
- シチューやカレー:出来上がり直前にバターを落とすと、格段にコクが深まりワンランク上の仕上がりに。
- ガーリックバターソース:溶かしバターに刻んだニンニクやパセリを混ぜて塗ると、エビやホタテのグリルに最高の相性。
6-3. お菓子・パン作り
- 焼き菓子(クッキー・マドレーヌ・フィナンシェなど):バターの良し悪しが直接反映されやすいので、こだわりのバターを使うとお店レベルの風味が楽しめます。
- スコーン:発酵バターを使うとリッチな口当たりに、無発酵バターならシンプルに素材を引き立てる味わいに。
- パン生地:捏ね上げ時にバターを入れると、しっとりソフトな仕上がりに。焼き上がりの香りも格別です。
7. まとめ:自分だけの“推しバター”を見つけよう
一口に「バター」と言っても、発酵バター、無発酵バター、有塩、無塩、国産、輸入など、そのバリエーションは実に豊富です。風味や香りが異なるだけでなく、用途に合わせて使い分けることで、料理やお菓子、パンの仕上がりに大きく差が生まれます。
- 料理好きの方:ソテーやソースにこだわるなら発酵バターや有塩バターを上手に使い分ける
- お菓子作り:無塩バターをベースに、特別な風味を出したいときは発酵バターをチョイス
- 保存性を高めたい:冷凍保存を活用し、使う分だけ小分けして長期保存
- 健康面が気になる:グラスフェッドバターや塩分ゼロの無塩バターを活用
食卓やキッチンでバターの存在感を上手に引き出すコツは、「自分の好み」と「レシピの特性」を理解し、バターを使いこなすことです。ぜひ、さまざまなバターを試して、あなただけのお気に入りを探してみてください。
バターの風味とコクが生み出すリッチな味わいで、いつもの朝食やおやつ、ディナーの時間をワンランクアップさせてみましょう。
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